「それでは対浮遊都市の作戦会議を行う」

 EDF日本支部。
 かなりボロボロになっている基地の一角にて、最終作戦の要となる幾人かの人間が集まっていた。

 一人目は、フェイと何度か組んだ事のあるスナイパーの彼女。
 二人目は、あの超巨大ソラスを戦車で撃破した、第57戦車隊1番車輌の戦車兵。
 三人目は、フェイのピンチを救った陸戦兵。
そして四人目は、いつのまにかEDFの切り札の一人にされたケーキと高いところをこよなく愛する切り込み隊員フェイ・ルーイング。。
 あとは、ペイルウイング隊の隊長他、数名だ。

「なんとか、ここまで切り抜けてきたけど。いつまで持つかわからないから、EDFの総力を持って浮遊都市への最終作戦を行うことになったわ」

 ペイルウイング隊の隊長さんがおもむろに口を開く。ちなみにEDF司令官は現場の事がよくわかってないんだから邪魔と追い出され、今この場を仕切っているのは彼女である。

「偵察隊の報告によれば、浮遊都市はバリアフィールドで守られている。とは言え、あれだけの火力を相手に長期戦は不利。そこで、精鋭4名による短期決戦を仕掛ける」
「精鋭4名……ですか?」

 隊長の言葉にスナイパーの彼女が首を傾げた。それこそ、なんで自分が?と言いたげな様子である。
 そんな彼女の様子を見て、隊長さんは小さく頷いた。

「そう。それにはあなたも含まれてるの。今回の作戦で遠距離攻撃は重要な要素。そして、あなたは場数も踏んでいる。一番の決め手は、狙撃の腕じゃEDF一ってことかしら」
「…そ、そうなの?」

 今、明かされた衝撃の事実に、驚いた表情を浮かべるフェイ。

「シミュレーターでの成績だけど、赤UFO(INF仕様)への狙撃の命中率が100%と言えば、わかるかしら?」
「……納得」

「ともかくそういうわけで、短期攻略を仕掛けるわ。具体的にはスナイパーの彼女と、戦車兵のあなたが遠距離攻撃にてバリアフィールドを破壊。その後フェイと陸戦兵のエースである彼と二人で皇帝都市の中心部へと突撃し、一気に高火力の武器を叩き込む。そう言う段取りよ。作戦開始は1400時。以上」

 説明をが終わって解散するなか、フェイは恐る恐る隊長さんへと声をかけた。

「あ、あの……。なんだかすっごく責任重大な気がするんですけど」
「えぇ、重要よ。世界の命運がかかっているんだから」
「………ぅ」
「やりたくない?」
「…………できれば」

 いくらなんでも、それだけの大役となればプレッシャーも少なくはない。さすがのフェイもその責任重大さに圧倒されていた。
 しかし、フェイの上司としてやってきた隊長の手にかかれば、そんな事は些細な問題だった。

「あなただから頼んでいるの。そうね、この戦いが終わったら――――ウェディングケーキと同じサイズのケーキを食べさせてあげるわ」
「え、でも。さすがにそれだけ食べたら――」
「普通なら除隊でしょうね。でも、そこは心配しなくていいわ。その時には浮遊都市を落とした英雄だもの。そのくらいは目をつぶってあげるわ。さぁ、どうする?」

 ニコリと微笑む隊長さん。もはや、フェイの返事は決まっていた。

 ――――そして、ついに運命の日。

「おっきいですねぇ」
「あのでかいソラスなんか目じゃないな……」

 すでに持ち場に着いた二人。スナイパーの相方さんと、戦車兵の二人は空に浮かぶあまりに巨大な敵に唖然としていた。実は、この二人。浮遊都市は初めてである。
 ちなみにフェイとあの陸戦兵は、別の場所にて待機中だ。

「ともかく、戦車の底力見せてやるぜっ!!」
「私もがんばりますっ!!」

 すぐさま戦車へと乗り込み、これまで培ってきた経験と勘を頼りに目測でバリアフィールドを狙う戦車兵。
 そして、スナイパーの相方さんも、持って来たMONSTER-Sにて、それぞれ狙いを定める。

ターゲットロック

 もはや激戦を制して来た二人にとって、巨大なバリアフィールド発生装置を打ち抜くのは造作もないことだった。

「先輩待っててください…!!」
「よし、次行くぞ、次―――って、うわあっ!!」

 残ったバリア発生装置を破壊すべく、移動を開始しようとしたその時。突然戦車にプラズマ弾が直撃した。

「戦車兵さん?!」

 驚く相方さんを尻目に、戦車のハッチが開き、そこから戦車兵が飛び出してくる。
 だが、それだけの威力があったのだろう。プラズマ弾の直撃を受けた戦車のダメージは深刻で、あちこちから火を噴出し始めていた……。

さらば戦車(とも)よ

「………お、俺の愛車が……」

 周囲にレーザーなどが降り注ぐ中、ただ呆然と立ち尽くす戦車兵。
 それこそ、苦楽を共にしてきた親友が目の前で死んでしまったかのように、がくりとその場に膝を付く。

「………戦車兵さん…」

 そんな彼を見て、声をかけることも出来ず。とりあえず砲台を攻撃して時間を稼ぐ相方の彼女。
 しかし、それから間もなく――――ゆらりと戦車兵が立ち上がった。それこそ、何やら不気味なオーラを漂わせて。

「………俺の愛車の……仇だ……。消し飛びやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

ジェノサイド砲用意――

 そして、そう叫ぶなり彼はどこにもっていのたのか巨大な武器を構えて、

怒りの鉄槌発射

 すぐ側でビルが壊れてガラスの破片が降り注ぐのも構わず―――ぶっ放した。

 しかも二発(ぇ

―――――所変わって。

「な、なに? 何がどうしたの!?」

 突然遠くで起こった巨大な爆発二つに、フェイは思いっきり驚いた。
 その横では陸戦兵が―――

「ジェノサイド砲二つも誰が持って来たんだ…?(滝汗)」

―――と唖然とした表情で呟いていたりする。

 しかし、そのままボーっとしている暇はなかった。

パリーン♪

 直後。浮遊都市のバリアフィールドが割れたのである。そう、それこそ某研究所のバリアの如く。

「バリアが……!!」
「よしっ、行くぞ!!必ず生きて戻るぞ!!」
「もちろんよ。だってビックサイズのケーキが待ってるんだから…!!」
「………は?」

 一瞬、変な間が空いたものの。すぐさま二人は持ち場の位置から駆け出すのだった。

そして後編へ…

―後編へ続く―

Comment

暇人さん / 2006.3.7 15:06
最終話キタ〜(゜∀゜)しかも二部構成!(嬉
戦車壊れちゃった…orz
でもただでは起きない戦車兵…ジェノサイド二丁は反則だろ(笑)後半も期待してます★(マ〇ンガーZネタが結構受けました)
EDF陸戦副隊長さん / 2006.3.7 20:02
ジェノサイド砲=鉄槌ですか…しかし、一発でしたっけ?
     ー自分の推測ー
戦車が壊れたとき、AS−99Dを持っている。=壊したのは自分
上の事から、ジェノサイドは別のプレイである。2丁持ってるハズだから。
(気にしちゃいけないお約束)
相方さんがライジン。
えむ@作者 / 2006.3.7 21:19
とりあえず、これだけはコメントレスに先駆けて言わせて貰います。
どーして、そういうとこ突っ込むかなぁ…。まぁ、事実なんだけど(=〜=)
EDF陸戦副隊長さん / 2006.3.8 15:34
だから、気にしちゃいけないって自覚した上でのことなんですよォ。
DOEOさん / 2006.3.8 16:05
戦車で一番辛いのは弾速速いレーザーです、はい。
ってかジェノサイドは反則ですねー…
しかも二丁(==;
対戦(レーダー隠し&乗り物禁止)でやるとスリル満点で楽しい装備ですよねw
とりあえず後半を心待ちにしています。
…狙撃、一発だけ撃って当てれば命中率100%になりますよね(ぁ
ショボン隊員さん / 2006.3.8 19:20
お初です。どうも。
挨拶はこれぐらいにして・・・
つーかジェノ砲持ってるなら神ソラスに白兵戦出来たでしょう・・・。戦車の彼・・・。
インペリアルセンチピードさん / 2006.3.9 00:11
実際に浮遊都市に戦車で挑むとすぐに手中攻撃ですぐに故障しますよ。単に腕の問題かも知れないけど・・・。
前回のコメントでライサンダーZで突撃とか冗談で書きましたが、まさかジェノサイド砲とは、予想の573倍の驚きでした。たしかにそこらの砲台一気に消し飛びますね。
最後には前のようにまた修理してもらえるといいですね。
インペリアルセンチピードさん / 2006.3.9 18:27
手中攻撃→×
集中攻撃→○
へんな間違いしました。
ところで皇帝都市で流れてくる
「よくも地球をめちゃめちゃにしやがったな!このぉ!うわぁぁぁ!」
「きゃぁぁぁ!」という無線はこの戦車兵と相方さんじゃないですよね・・・?
戦車兵なら地球と言わずに愛車というでしょうが。
シエさん / 2006.3.9 21:13
最後の最後でもケーキにつられるフェイさんが何気に面白いっすw
インフェルノの精鋭の命中率100%って・・・(汗
俺にもそんな力があれば、烈火であんなに苦い思いをせずにすんだのに・・・(汗

妄想膨らませながら後半楽しみにしてますよ〜。
hrさん / 2006.3.10 02:06
戦車兵さんって、もしかしてインベーダーにとってはアレですか?
「戦車から降ろしたら負け」
頑張れ! 戦車兵さん!
EDF陸戦副隊長さん / 2006.3.10 16:42
>hrさん
まさか…7ステージのサブちゃん(だからサブちゃん言うなサブちゃん)じゃあるまいし…いや、でもそれも一理ありますなぁ…う〜ん。

Page Index
日付 題名 概要
2005.8.28まずはご挨拶…。
2005.8.29Mission0 プロローグ
2005.8.30Mission1 英国の悪夢
2005.8.31Mission2 倫敦騒乱
2005.9.1Mission3 広がる災厄
2005.9.2Mission4 魔虫の塔
2005.9.3Mission5 地下洞
2005.9.5Mission6 漆黒
2005.9.6Mission7 侵略者再び
2005.9.8Mission8 戦機襲来
2005.9.9Mission9 市街戦
2005.9.17Mission10 多眼の凶虫
2005.9.20Mission11 凶虫大挙
2005.9.21Mission12 空母飛来
2005.9.22Mission13 巨獣
2005.9.23Mission14 谷間の影
2005.9.24防衛記録・主人公プロフィール
2005.9.26Mission15 夜襲
2005.9.27Mission16 挟撃
2005.9.28Mission17 地の底
2005.10.1Mission18 魔鏡
2005.10.3Mission19 盾
2005.10.4Mission20 魔塔強襲
2005.10.6Mission21 侵蝕
2005.10.7Mission22 停泊
2005.10.8Mission23 赤色甲殻虫
2005.10.11Mission24 峡谷
2005.10.12番外Mission1
2005.10.14Mission25 噴出
2005.10.15Mission26 地底突入(前編)
2005.10.18Mission27 地底突入(中編)
2005.10.20Mission28 地底突入(後編)
2005.10.22Mission29 地底決戦
2005.10.24Mission30 龍虫
2005.10.26Mission31 百脚龍虫
2005.10.28Mission32 蟲の怒り
2005.10.29Mission33 侵略者集結
2005.11.1Mission34 審判の日
2005.11.9Mission35 掃討戦
2005.11.10Mission36 終章
2005.11.11Mission37 近衛兵団
2005.11.13Mission38 火球落下
2005.11.15Mission39 機兵上陸
2005.11.17Mission40 回転木馬
2005.11.19Mission41 暴虐
2005.11.21Mission42 精鋭
2005.11.22Mission43 赤波
2005.11.25Mission44 鉄球
2005.11.28Mission45 占拠
2005.12.2Mission46 機兵の谷
2005.12.5Mission47 大群進撃
2005.12.7Mission48 魔塔の守護者(?)
2005.12.13Mission49 空挺結集
2005.12.15Mission50 百鬼夜行
2005.12.20Mission51 重装鉄球
2005.12.22Mission52 嶺の亀裂
2005.12.26Mission53 陥穽
2005.12.30番外Mission2
2006.1.1Mission54 深淵
2006.1.4Mission55 奈落の罠
2006.1.9Mission56 龍虫復活
2006.1.11Mission57 特機兵
2006.1.14Mission58 大蜘蛛
2006.1.17Mission59 空爆
2006.1.20Mission60 超爆
2006.1.25Mission61 闇蜘蛛
2006.1.30Mission62 皇帝直下
2006.2.1Mission63 機獣
2006.2.3Mission64 剣と盾
2006.2.6Mission65 魔虫跋扈
2006.2.10お試し企画
2006.2.13Mission66:超獣結集
2006.2.20Mission67 神獣
2006.2.22Mission68 大結集
2006.2.28Mission69 灼熱
2006.3.3Mission70 絶対包囲
2006.3.7Mission71 皇帝都市(前編)
2006.3.13Mission71 皇帝都市(後編)
2006.3.14エンディング
2006.3.15後書き〜♪
2006.3.17番外Mission3
2006.3.24番外Mission4