かつて、突如として地球は異星人の襲来を受けた。
地球防衛軍――通称EDFは善戦はしたものの、相手の圧倒的な戦力にほぼ壊滅に近い打撃を受け、もはや地球は異星人の魔の手に落ちるのは時間の問題かと思われた。
しかしその結末は意外な形で大きく書き換えられる事になる。
それは一人の、たった一人の(一説では二人との噂もあるが)陸戦兵の存在である。彼は、迫り来る巨大生物をことごとく打ち破り、そしてついには敵の母船マザーシップを撃墜。地球の危機を救ったのである。
そして、彼は姿を消した。墜落現場にヘルメットを一つ残し…。
それから2年の月日が流れた。
焼け野原となった街は驚くべき速度で復興をはじめ、人類は、再び秩序と統制を取り戻していた。大戦の傷跡はあまりに大きかったが、皮肉にも侵略者がもたらしたテクノロジーが文明復興に寄与する事になったのである。
壊滅状態となったEDFも、再度編成され、高度な権限を持つ組織へと生まれ変わりつつあり、さらに特殊部隊ペイルウイングが結成され、戦力強化も図られていた。
<2019年6月12日 倫敦>
その日、EDFロンドン支部では、新たに配属された隊員へのブリーフィングが行われていた。
特殊部隊ペイルウイング。それはプラズマ・エネルギー・ユニット(以下PEユニット)と呼ばれる小型の半永久エネルギー供給システムを利用した光学兵器を持ち、飛行ユニットによって空中を高速で移動する高機動重視の部隊である。
そこにいる隊員の数は数十名。そしていずれも――自分もだけど――全て女性だ。
けれども、これは決して上層部の趣味ではない。…と思う。これには川よりは深い事情と言うのがあったのだ。
ペイルウイングの命とも言える飛行ユニットだが、これは誰にでも使う事は出来ないらしい。
現に選抜試験は非常に厳しいものだった。私は何とかクリアできたが全ての成績が良かった隊員が、たった一つの項目を満たせなかったために試験に落ちたのを知っている。
もちろん、ペイルウイングに配属が決まっても油断は出来ない。週に一度の検査結果次第では、隊員は別の部署へと転属になる。さすがに特殊部隊と言うだけあって厳しいけど、自分は後悔していない。―――甘いものをあまり食べられないのは、ちょっと辛いけど。
そう言う事情で図らずも、隊員がすべて女性になってしまったらしい。心なしか、みんなスタイルもそれなりに良い気がするが、何かの偶然だろうと言い聞かせておく。
ブリーフィングの内容は、主にPEユニットと戦闘の際の注意事項だった。
武器にはPEユニットのエネルギーを直接消費して使用するものと、武器内蔵エネルギーがゼロになった時に一気にPEユニットのエネルギーから供給されるものの2種類があると言う事。
飛行中に直接消費型の武器を使うと早くエネルギーが尽きるので注意する事。
PEユニットのエネルギーがゼロになると強制冷却モードとなり急速充電が始まる事。ただし強制冷却中は武器へのエネルギー供給も止まり、直接消費型の武器の場合は1発しか撃てないため、無防備に近い状況になるので特に注意する―――など、そんなところだ。
これを聞いた隊員の一人が、
「アーマー○・コアみたいですね」
と言ったら、隊長がものすごく怖い目で――それこそ殺気すら感じられる視線を送っていてとても怖かった。どうやら触れてはいけないことだったらしい。言わなくて本当に良かった。私はその例えは正しいと思うけど。
やがて、ブリーフィングが終わりかけた頃。
突然、基地内に非常警報が鳴り響き、一つの放送が流れる。
「非常事態発生。倫敦市内に巨大生物、多数出現。全隊員はただちに出動せよ」
その場にいた誰もが騒然となるも、慌ててブリーフィングルームから飛び出していく。
――――これが、そう……全ての始まりだった。
Comment
…………このブログの内容如何によっては、購入もやむなしかな、とか考えつつ。w
がんばってくださいw
内容次第では購入ですか? ――これはなんとしても購入するようにがんばらなければ♪(燃)
これから楽しみにしてますよ〜。
あと、勝手ながらリンクに追加させていただきました( ´ノω`)
これからがんばっていきますので、末永く見守っていてください。
あとリンク追加ありがとうございます。こちらも勝手に追加させていただきましたので引き分けです。(マテ
途中で何回か「71」という数字に絶望するかもしれませんが、ペースに乗れれば思ったよりなんとかなるので頑張って乗り越えてくださいね。
こちらからのリンクは次のアップデートで追加しますので少々お待ちください〜。
71の壁ですか…。はい、気長に行きます。
お互い、がんばりましょう♪