山岳地帯に敵の陸戦兵器が出現した。
しかし数はわずかなので、すぐに撃破するようにとの事。
けれども私はそんな司令部の指示を無視して、新装備のイズナーCカスタムとレイピアを持っていく事にした。 敵の数はわずか。そう言ったときは大抵、EDFは敵にはめられてる気がするし――――。
現地に到着すると同時に、レーダーを確認。
そして思う。次のセリフは「罠です。後ろからも敵が!!」だなーと。
「罠です。後ろからも敵が!!」
ビンゴ。大当たりだ。
というか、レーダーをよく見ると後ろどころか、両サイドからも何か来ている気がする。挟み撃ちどころか、囲まれている。本当にどうしてEDFはこうも簡単に敵の罠にハマるのだろうか。と言うより、そもそも罠にはまって苦労するのは現場の人間なのだけど…。
まぁ、まずは後ろから近づいていると思われるダロガからだ。すでに近づいているのはレーダー見れば一目瞭然。
振り返りざまにすばやく飛行して近づき、ビームをかわしつつイズナーCカスタムを叩き込みつつ、さらに急接近。そのまますばやくレイピアを叩き込んで一機目を沈める。
そういえば、イズナーBの次はなぜかイズナーCではなくイズナーCカスタムだった。
何か人には言えない事情でもあるのだろうか? 意外とあそこの開発部ならありそうだ。
やがて、一機目のダロガを潰した当たりで、両サイドから黒蟻さんが近づいてきていた。残りのダロガはまだ、遠くにいる。さしあたり今までの経験から近づかれなければ脅威ではないので(近づいたら仕留めるだけだし)、その間に黒蟻さん一同をイズナーCカスタムとレイピアを駆使して片付けていく。
今回も至って順調だった。このままなら任務完了もあと少し。そう思いかけた時―――――それは起こった。
突然巻き起こる謎の爆発!!
それによって吹き飛ばされる黒蟻と、私!!
空中を舞う事、約2秒。そのまま受け身も取れずに地面に激突。が、アーマースーツの耐衝撃性は素晴らしくそれ自体は対した事はかった。今は無きインセクトヒルがおっこちても大丈夫だったくらいだし。
…あ、思い出したら涙出てきた……。
とりあえず現実に振り返り、なんとか起き上がって振り返ると、そこにはもう一人のペイルウイング隊員がいた。
手にはE1プラズマランチャーが一つ。そして、こちらへと向けたまま固まっている。
おーけー。事情は大体わかった。
「何か言う事は?」
「えーっと、照準を合わせて撃ったら、弾が下に逸れたんです…」
当然だ。プラズマランチャーは放物線を描く。だから、狙った位置より下に行くのは必然だ。それは距離が遠ければなおさらの事。
まさかわざと狙ったのか?とも思えるボケだが、見る限りそれはなさそうだった。そして、ふとある事を思いつく。
「もしかして新入り?」
「あ、はい。今回の作戦で同行する事になりました。よろしくお願いします」
「いえ、こちらこそ」
そう言って深々と頭を下げる新入り隊員。つられて私も深くお辞儀する。
って、何を実戦中に悠長な事をしているのだ。
「とりあえず詳しい話は後で。私がオフェンスをするから、あなたはバックアップをお願い」
「はいっ」
「あと、プラズマランチャーは放物線を描いて飛ぶから、遠くを狙う時は少し上を狙うようにして撃つこと。わかった?」
「わかりました!!」
元気よく頷く新入り隊員。すぐにプラズマランチャーを構え、残りの蟻へと攻撃を始めた。
なんだか事情は良くわからないが、今回は二人らしい。…たった二人とは言え、一人よりはましである。単純に相手にする敵の数は半分になる。
とりあえずこちらは彼女に任せ、自分はダロガを潰すべく空へと舞った。
やがて眼下にダロガを捉え急降下。ちょうどリチャージ中になったイズナーCカスタムは諦め、レイピアのみで仕留めるべく接近する。
「援護します」
通信機からそんな声が響く。なんだかやっぱり頼もしい。だって、今までずっと一人だったしね。
ダロガの上に乗りレイピアを叩き込む。そして爆発――――
その場で火を吹いて崩れ落ちるダロガ。
そして、なぜか宙を舞う私。そのまま滞空時間の記録を更新し、再び地面へと激突する。
何が起こったか良くわからぬまま、むくりと起き上がると、新入り隊員がこちらへと飛んできた。そして心配そうにこちらを見る。
「えっと、大丈夫……ですか?」
わかった。犯人はこいつだ。
「あのね、プラズマランチャー系は爆発するの。味方も吹き飛ばしちゃうの。さっきみたいに」
「は、はい」
「そもそも、レイピアで接近しているところに援護で爆発物を撃ち込む人が何処にいると思う?」
「え、ここに……」
ザ・○ールド。時が止まる。
目の前の彼女に悪気は全くない。むしろ反省もしている。おそらく、ただ素直に答えただけだろう。
そう素直だ。涙が出るほどに素直で良い子だ。素直と言うよりは天然とも言えるかもしれない。いや絶対にそうだ。
ともかく彼女の一言は、私の時間を止めるには充分の威力だった。ごめん、しばらく戻れない……。
「あ、あの? もしもし? どうしたんですか? 先輩?」
渓谷のその場所で、新入り隊員の心配そうな声が静かに木霊していた……。
To Be Countinue....
■ おまけ■
このステージ。上手く谷の上へと誘い出して誘導すると、ダロガを谷に落とすことが出来ます。
落ちる時のダロガは必見。なんか面白いです。
Comment
次回に彼女の出番はあるのでしょうか・・・
二人いると、大分話が広がるのでネタに尽きることなく話を進めれるかもですねぇ〜
ダロガの谷からの落下というのは・・・
挟撃でも後ろから来るダロガが面白い降り方をしますがアレのような感じでしょうか?
>ダロガ落下
>挟撃〜
そうですそうです。しかし、よく考えてみれば、よくバランス崩さないよなあれで…
うちの世界では挟撃で見事に横転してたけど…(笑)
言われて見れば確かにかわいいですねぇw
その様子をhrさん所の擬人化ダロガで再現したらもっと―――(ぉぃ