以前出現したソラスの小さな個体が出現した。
その報せに、一台の戦車が現地へと向かっていた。
第57戦車隊1番車輌。そして、元第72戦車隊3番車輌。
かつて、攻撃を反射する強敵や新種の巨大生物。さらに敵占領部隊に、大ムカデを撃退し、同時に4つの街を廃墟に変えたあの戦車である。
戦車の底力を見せるため、日夜努力していた彼は、今回の対ソラス戦に志願。すぐさま現場へと向かっていた。
そして、ついにその小ソラスと遭遇。すぐさま、攻撃しようとするが………できなかった。
「か、かわいい……」
そのソラスは本当に小さかった。
小さいと言ってもそれなりには大きいのだが、何とも言えない愛嬌さすら感じられる。
「う……うあ……」
さらにソラス特有の火炎放射。そのかわいさは、もはや悶え倒されそうなほどの破壊力。
「だ、駄目だ…!!俺にはできないっ!!」
□ ボタンを押さえる指に力がはいらない。そう、なぜなら躊躇いがあるからだ。
しかし、押さなければいけない。倒さなければ――――話が次に進まない(マテ
意を決して120mmキャノンを叩き込む。
やはり小さいからか、小ソラスは想像以上に弱かった。罪悪観と言う名の精神的ダメージは妙に大きかったが。
「………これで終わりか…」
事情はどうあれ、目標の撃破を確認したには変わりない。その旨を本部に連絡しようとした時――――
――突然、大きな地響きが響いた。
突然の事に驚きつつも、周囲を確認する。そして、ビルの隙間が「それ」が見えた。
「……は?」
そこにはソラスがいた。赤い角に赤い背びれを持った今までに見たことのないタイプ。だが、特筆すべきなのは――――
「で、でかすぎだろおい(汗)」
その大きさだった。
でかいなんて物ではない。文字通り山のような大きさ。
あんな奴を、たった一台の戦車で倒せと? いやぁ、さすがに無理だって…。
そんな考えが浮かぶ。しかし、すぐに思い留まった。
もし、ここで奴を倒せば、戦車がどれだけスゴイものなのかを皆に伝えることが出来る。
そうだ。例え、どんなにでかかろうと、これまで培ってきた物を駆使すれば勝てないはずはない!!
コントローラーを握る手に汗がにじむ。心なしか、手が震えている。たぶん、これは空調の冷房が効いているせいだろう。
「いくぜっ!!!!」
戦車を全速力で進める。そして、今までに類をみない熾烈な戦闘がはじまった――――
大ソラスは、本当に強敵だった。
そもそもあんなでかいのに、どうして近くに来るまで気づかなかったのだろうか?という疑問はある物の、それでも強敵には違いなかった。
でかいため、一歩一歩も大きく突進をすれば、瞬く間に追いつかれ、踏み潰され――――
その火炎放射の威力は、戦車の装甲を一瞬に溶かされそうな勢い。
しかも性質が悪いことにその範囲も尋常ではなく、逃げ切れない。
だが、それでも彼は全力を尽くした。そして、実は踏まれる方がマシだと気づいた彼は、あえて近接戦を挑む。足元に張り付いて、自爆しない距離から砲弾を叩き込むのだ。
戦いは、無駄に長くかかった。
リペアスプレーを何本使い切ったことだろうか。おそらく、使用経費が自腹だったら今月の給料はそこをついているかもしれない。
それでも、チクチクチクチク……気長に主砲を当て続け、ついに大ソラスにとどめの一撃が炸裂した。
気の遠くなるような作業。まさに塵も積もれば山となる。
だが―――まさに、今……その塵が山になった瞬間だった。
「や、やったぞ…!!ついに…ついにやった!!」
大ソラス撃破。その事実に一人戦車の中で喜ぶ戦車兵。入ってくる通信によれば、別区域に出現した大ソラスはペイルウイング隊員によって秒殺されたらしいが、そんなことはどうでもいい。
戦車でこの快挙を果たしたのが重要なのだ。
だが――――彼は、またしても気づいてしまった。
あれだけの巨体が動き回り、毎度の事ながら見晴らしのよくなった廃墟に。
「……………」
それでも今回は逃げない。なぜなら今回は、大ソラスが原因。流れ弾で壊れたのではなく、あの大ソラスによって破壊されたのだ。よって、今回ばかりは非はない。だから、逃げる必要もない。
この日、彼――-戦車兵は、ついにその成果を認められた。
これまでの苦労が報われた瞬間である。
To Be Countinue....
■ おまけ■
と言うわけでテラソラス戦。しかしながら、実際にプレイしてのクリアはできませんでした残念ながら。
でも、これは創作小説なのでそんな事は問題なしです。……クリアできれば良いに越した事はありませんがね(苦笑)
それにしても、ミニソラス。本当に可愛い……♪
なお余談として、フェイさんは最初ミニソラスと戯れていましたが、あることがきっかけで滅殺。その後現れたテラソラスも、奴ですらびびるような気迫で迫り撃破してたり。
そして、その理由は――――ケーキ屋が危なくなったから。
Comment
ついに苦労が報われましたねw
戦車で挑戦…次回起動時にやってみますね〜。
…っていうかイージーにしても乗り物のHPは変わらないのだからバレませんよね?
難易度下げれば勝てたんじゃ…(汗)
もしくは今回の戦車にはサブウェポン兼リーサルウェポンとしてプロミネンス2かジェノサイド砲搭載〜。
後者ならINFでも余裕です(笑)
次回作ではリペアスプレーを乗ったまま使用できると良いですね。
もし倒せたら教えてくださいw
確かに、リペアスプレーの件は賛成です。
ギガンテスの主砲を120㎜‘キャノン’といっては駄目ですよ。滑空砲とキャノン砲は別物ですから。
苦労が報われてよかった!(涙)
とりあえず報われたのは良かったですよw