ロンドン市街にて歩行戦車の一団を全滅させ、基地に帰ると同時に新たに通信が入った。
何でも新種の巨大生物が出現したらしい。
すぐに偵察班の撮影している映像が、モニターへと表示される。
そこには蜘蛛がいた。
えぇ、蜘蛛ですよ。足が八本あって、目が幾つもあって、お尻から糸を出すあの蜘蛛だ。
微妙に、このアングルってとても危ないんじゃないのかと思うのだけど―――どうやら相当肝が据わっているらしい。て言うか―――
「襲われているのを映すくらいなら助けなさいよっ!!」
「いや、あいつら偵察班だから」
あ、なるほど〜、だからカメラしか持ってなくて、映すしかないわけね。
やっぱり何かが大きく間違っている気がする。
そうこうしているうちに、すぐに出動命令が下った。市民を守るEDFなのだから、当然のことだ。
当然のことではあるのだけど――――
「どうしたの? 出動よ?」
「………隊長。…私、蜘蛛……駄目なんですが」
「……そう。それは大変ね。じゃあ、行きましょうか」
「いやぁぁぁぁぁ!!こ、今回だけはパスさせてください〜!!」
「そんなに嫌?」
「はいっ!!」
「じゃあ、回れ右」
「はい?……ぅ」
次の瞬間。首の後ろ辺りに軽い衝撃が走り、自分の意識はどこかへと飛んでいった…。
……はっ!?
気がつくと、私はロンドン市街の上空にいた。
地面が迫ってきているので、とりあえず飛行ユニットを展開させて減速し、地面へと降り立つ。
ふと見れば、実戦の準備は万端となっていた。
しかし、記憶がなんか曖昧だ。確か隊長に、今回はパスさせてくださいと、説得しようとして――――
「…………」
ふといやな予感がして振り返る。
「……………(滝汗)」
そこには蜘蛛がいた。
「……………(滝脂汗)」
ピョンピョンと飛び跳ねつつ、こちらへぞろぞろ近づいて来る蜘蛛がいた。
蜘蛛は嫌いだ。だが、ここまで大きい蜘蛛はもっと嫌いだ。しかも食べられるかもしれないとなれば、さらに嫌いだ。
わきゃわきゃわきゃわきゃ…←精神的にものすごく嫌な光景。
「は、はははは…」
恐怖のあまりか、なぜか笑いがこみ上げてくる。目前に迫る大量の蜘蛛。それを見て――――
プッツン…
―――ここでまたしても意識が途切れた。
〜○月×日 晴れ〜
(前略)
俺は今まで、幾つもの恐ろしい思いをしてきた。
黒蟻に包囲され絶体絶命になった事もあった。ヘリを撃墜され、UFOの大軍に囲まれた事もあった。こっそりおやつを盗み食いをして親に起こられた事もあった。
だが、あれはそんなものとは比較にならないだろう。そいつは、ただひたすら声高らかに笑いながら、蜘蛛をレイピア一本で次々と薙ぎ払っていた。
バーサーカー。まさにその言葉がぴったり当てはまる、そんな戦いぶりだった…。(後略)
〜ある陸戦隊員の日記より抜粋〜
■おまけ■
初めて見た時、マジで引きました…。
Comment
蟲の怒りで集られたときとか・・・
最近は防衛軍の蜘蛛には慣れましたが本物には未だに慣れれません・・・
1m以内にすら近寄れない状態です(汗
これから後、蜘蛛大量に出てきますからねぇ・・・蜘蛛見るたびに発狂状態になり・・・(笑
訂正が早速2つあります〜
「これから後、」のところは本編へのコメントです。