EDF防衛記録

▼ Comments | ▼ Page Index

　本部からの報告で、巨大生物はロンドン・ニューヨーク・東京の三箇所に出没していることがわかった。
　それに伴い、私たちペイルウイング隊も各地に派遣される事となっており、私は東京へと派遣されることが決まった。

　東京に着くと、すぐに巨大生物の出現した地域へ出動となったど。
　でも・・・あぁ、なんか眠い。そう言えば、ロンドンと日本は１２時間の時差があったけ…。と言う事はこれが時差ボケというものなのね…。
　どことなくぼんやりとした頭で、装備を選び出動。ただし間違ってもプラズマグレネードＡには手を出さない。あんなの二度と持っていかないんだから。

　現場は都市部から離れている、民家地帯だった。
　案の定、ここにも巨大生物の蟻がうようよしている。携帯用のレーダーを確認すると、三箇所に別れて固まっているらしい。と言っても、そのうち１グループは、すでにこちらに気がつき接近してくる。
　まずは頭数を減らすとしましょうか。 　最初にお世話になったＥ１プラズマランチャーを構え、向かってくる蟻へと攻撃し数を減らす。だが、それでも、次第に接近されてしまう。
　でも、甘い。私には、頼もしい味方レイピアがある。近接戦こそ、真の力を発揮できるのだ。これさえあれば怖いものなど――――

―― ………。

――あれ？ レイピアどこ？

　いつものあるべき場所に、レイピアはなかった。代わりにあるのはイクシオンと呼ばれる粒子砲。
　出撃前、やっぱり新たに開発された武器だと開発部の人から渡された。連射性に優れる武器で、威力もそこそこにあり、エネルギー効率も直接消費型のわりには悪くない。
　ただ、この武器も慣性が働くらしい。左に歩けば狙いは左に逸れる。上に飛べば上に逸れる。その恐ろしさはプラズマグレネードＡで懲りている。。だから、持ってくるつもりはなかった。持ってくるつもりはなかったのにだけど……

　時差ボケで寝ぼけてたから間違えちゃったみたいです。てへっ☆
　……隊長､今回…私は駄目かもしれません。_|￣|○
　レイピアがないという事実に呆然となる。…けれども、そこで思い留まった。ここで諦めてはいけないと。ここで諦めたら、今日のデザートが食べれない。
　偶然にも今日は日本の基地の二週間に一度のデザートの日。つまり移動の関係で二日続けて甘い物が食べれるまたとないチャンス。
　生きなければ！！ここで、死ぬわけにはいかないッ！！

　生きる気力を取り戻し、即座にイクシオンを構えて撃つ。それこそアサルトライフルの如く、撃ちだされる粒子弾。そのまま横へと走りつつ、迫り来る蟻を迎撃する。
…あれ？ ずれるけど、このくらいなら全然問題ないんじゃない？
　慣性が働くとは言え、イクシオンの物は予想以上にわずかなものだった。このくらいのずれなら、射撃の腕でカバーできる。ほぼ問題ないくらいだ。
　どうやらあのプラズマグレネードＡが極端すぎただけらしい。
　変な誤解をしてごめんね？とイクシオンに謝りつつ、アリを次々と攻撃し数を減らしていく。所詮は、蟻。近づきさえしなければ――――

……えーと、今…尻尾から黄色い液体らしき物が飛んだのですが。

……ついでに、すぐ横にあった電柱が溶けているのですが。

……もしかして、今回は飛び道具完備ですか？

　とりあえず一回飛行ユニットを展開して、その場から離れると同時に味方からの通信が入って、酸であることを知らされた。
　確かに蟻は、蟻酸と呼ばれる物を持っていると聞く。だから巨大生物の蟻も同じ物を持っていてもおかしくはない。何も、ここまで再現しなくても良いのにね・・・。
　とは言え、所詮は蟻。その狙いはかなり適当で少し注意しておけば、そうそう当たる物ではないことがわかった。
「各隊員に連絡！！少し気をつけておけば、まず当たりません」
　気づいた事実をすぐに伝える。その返事は―――
「うわー！？さ、酸が！？」
「……………」
　人の話、聞いてよ。っていうか、アーマースーツは？
　いきなりの悲鳴に、思わず立ち止まった所に酸が直撃。さすがにちょっとダメージはあったが、さほど問題はない。……一度や二度でどうにかなるほど、このアーマースーツは弱くないはずだけど。
　もしかして、向こうはこちら以上に多いのだろうか？ さすがに集中して浴びればただではすまないと思うのだけど。
　わからない。ともかく今は自分の出来る事をやろう。助けに以降にも場所がわからないし…。

　周辺の蟻を片付け、二つ目のグループもさほど苦もなく殲滅。そして住宅街にたむろっている3グループ目は少し離れたビルの上からＥ1プラズマランチャーの連続爆撃によって一掃した。
　ふと見れば、その一帯の住宅街が荒地になっていた気はするけど、気にしない。これも地球の平和を保つため、多少の被害は仕方がないのだ。どうせ避難は済んでるのだし(ﾏﾃ

　こうしてその辺一帯の蟻を駆逐した私は、基地へと帰還するのであった…。

　ところで、今回―――他の場所は、部隊で動いてたみたいなのに……。
　なんで、あのエリアに派遣されたのは私だけなの…？

To Be Countinue....

■おまけ■
　イクシオンは空を飛びつつ使うと、やっぱりプラズマグレネードばりに射線がずれると言うのは周知の事実。でも、しっかり説明に書いてあるのでまだ親切。…しつこいけども、プラズマグレネードにも書いとけよー開発部(汗）