Mission25 噴出

2005.10.14.Thu

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http://edfx.org/2/emu/051014 

 地底から出現し続ける巨大生物によって、市街地が占拠されEDFはただちに奪還作戦を行う事になった。
 なんでも地下の巣穴の出入り口が多数確認されたらしい。どうやら一度に出せば良いのにと言ったのを採用してくれたらしい。
 ともかく、今回はその出入り口を全て破壊して増殖を食い止める…と言う物なのだが―――。

「先輩。今回もよろしくお願いします」
「…お願いだから敵と一緒に吹き飛ばさないでね」

 前回チームを組んだペイルウイング隊員と、再び組む事になっていた。
 とりあえず、相手の武装を確認する。LRSL−39とミラージュ・ゼロだ。…まぁ、これなら吹き飛ばされる心配はないだろう。
 ちなみに私の装備はレイピアとD2プラズマランチャーと言うプラズマランチャーの最新モデルである。

 今回確認された巣穴の出入り口は4つ。そして、なぜか作戦開始と同時に目の前にある巣穴を二人がかりで速攻で潰す。

「先輩。なんで、この距離に近づくまで私たち何もしなかったんでしょう?」
「……なんでかしらねぇ…」

 正直、自分でもわからない。そう言えば、前にもそんなことがあった気もするが注意力が足りないんだろうか?
 さしあたり目前の脅威を払い、残り三つの巣穴への対策を練るために、目の前にあった展望ビルの上へと登る事にした。

展望ビル

「いつもの事ながらたくさんいるわね」
「そうですねー。赤蟻さんに、羽蟻さん、あと蜘蛛さん―――」
「違う。蜘蛛じゃなくてバゥ」
「え?でも、あれはどう見たって蜘蛛さん――――」
「似てるけど違うの。あれはバゥって名前なの。嘘だと思うなら、帰ってデータベースで調べてみなさい」
「……わ、わかりました」

 危なかった。蜘蛛バゥは蜘蛛バゥだ。それとは違う物と認識してしまったら、何をするかわからない。まして、誰かの前でトランスなり暴走なりするわけにはいかないのだ。

「じゃあ作戦を立てるから、よく聞いておくのよ。私が突っ込むから、あなたが援護。良い?」
「……わかりやすい作戦ですねぇ」
「難しいのより良いでしょ? それじゃあ、まずは羽蟻から行くわよ」

 今回も巣穴優先で潰すようなまねはしない。一個ずつ潰して行くのだ。
 飛行ユニットを展開し、空高くからD2プラズマランチャーで急降下爆撃を仕掛け、巣穴周辺の羽蟻は吹き飛ばして着陸。速攻で巣穴を破壊する。
 周辺の羽蟻は、彼女が展望タワーからの狙撃が落としてくれているため、比較的ダメージもない。
 最近気づいた事なのだが、この羽蟻。普段は酔っ払いみたいにフラフラフラフラとこちらのストレスを溜めるような飛びかたをするが、ちょっとでもダメージを受けると地面に墜落してしまうのだ。
 どうやらあの飛び方は、単純にバランスが悪いだけだったらしい。まぁ、あれで意図的に狙って飛んでたら、それはそれで怖い気もするが。

「次、蜘蛛バゥの方に行くわよ」
「わかりました!!」

 続けて蜘蛛バゥの巣穴へと向かう。
 今度は特攻せず、近づいて来る蜘蛛バゥを少しずつ片付けながら進んでいく。特攻しても良いのだが、囲まれると本当に危ないのは、今までの経験からも良く知っている。
 やがて蜘蛛バゥの数が減りだしたところで、一気に巣穴に取り付いてレイピアで破壊。少しばかり糸が飛んでくるが、やはり支援狙撃の効果は絶大だ。

「先輩、あと一つですよ!!」
「さ、この調子で良くわよ!!」

 続けて赤蟻も、ほぼ同じような方法で進んでいく。

 どうやら彼女…爆発物さえ持たせなければ安全なようだ。シミュレーションの時も何度吹き飛ばされたが、スナイパー向きだったらしい。

 現に狙撃の成績は非常に良かった。なんせ、狙撃の際にスコープも覗かずに当てて見せるのだ。聞いてみたら、両目とも7.0らしい。一瞬、何処の未開地の出身かと聞きたくなったのは、ここだけの話だが。
 いずれにしても、どっちかというと突っ込みがちの私にとってはありがたいかも―――――。

「―――――っ!?」

 突然、狙撃レーザーの熱が頬を掠めた。レーザーその物が掠めたら火傷だが、ちょっと熱を感じた程度なので問題はないとはいえ、心臓には悪い。

「あ、ごめんなさい!?手元が狂いました」
「次は、気をつけてね…」

 通信機から届く心配そうな声に大丈夫だからと答え、隙を見て巣穴を破壊に飛ぶ。
 巣穴への直接狙撃の助けもあり、無事に破壊。残るは赤蟻が数匹…。
 止めを刺すべく一気に近づく。そして、今まさにレイピアを叩き込もうとしたその時。

またも爆発…

 爆発した。何が起こったのかもわからないまま宙を舞う。今回は爆発が小さかったのもあって、滞空時間は更新しなかった。やがて例によって地面に墜落。

 一体何が起こったのだろうかと、起き上がりつつ周囲を見回す。今回、爆発する要因は何もないはずだ。ダロガもいないし、プラズマランチャーの類も持たせていない。少なくとも自爆するほど、私も間抜けじゃない。

「だ、大丈夫ですか?!」

 ふと振り返れば、心配そうな顔で着地した彼女がいた。本当に心配してたと言う事は、その表情を見ればすぐにわかる。
 そんな彼女を見て、苦笑を浮かべつつ答える。

「アーマースーツの丈夫さは知ってるでしょ? あのくらい平気――――」

 答えようとして、気がついた。彼女の手に握られているミラージュ・ゼロを。
 そういえば、これも炸裂型だったっけ……。

 ………誤射しない武器だとは思って油断した。一番近くをホーミングする特性があるのだから、それと同じ敵を狙えば巻き込まれる事もあっておかしくはない。なんせ、自分で敵を狙えない武器なのだ。
 けれども、まさかこうもうまい具合にタイミングが重なるとは…。

 でも、一つだけわかった事もある。
 インベーダーよりも仲間の方が危険かもしれない。
 あの英雄が一人でマザーシップを落とした理由は、もしかすると――――

To Be Countinue....

□ おまけ□
2Pでは稀に(頻繁に?)起こる誤射・誤爆事故。
武器によっては仕留められる事もあるので、意外と笑えません。やられた方は。
場合によっては、こっからインベーダーを無視した戦闘に発展する事もあるという話ですが、この物語ではそれはないのでご安心を。


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番外Mission1Mission26 地底突入(前編)
総目次
Page Index
日付 題名 概要
2005.8.28まずはご挨拶…。
2005.8.29Mission0 プロローグ
2005.8.30Mission1 英国の悪夢
2005.8.31Mission2 倫敦騒乱
2005.9.1Mission3 広がる災厄
2005.9.2Mission4 魔虫の塔
2005.9.3Mission5 地下洞
2005.9.5Mission6 漆黒
2005.9.6Mission7 侵略者再び
2005.9.8Mission8 戦機襲来
2005.9.9Mission9 市街戦
2005.9.17Mission10 多眼の凶虫
2005.9.20Mission11 凶虫大挙
2005.9.21Mission12 空母飛来
2005.9.22Mission13 巨獣
2005.9.23Mission14 谷間の影
2005.9.24防衛記録・主人公プロフィール
2005.9.26Mission15 夜襲
2005.9.27Mission16 挟撃
2005.9.28Mission17 地の底
2005.10.1Mission18 魔鏡
2005.10.3Mission19 盾
2005.10.4Mission20 魔塔強襲
2005.10.6Mission21 侵蝕
2005.10.7Mission22 停泊
2005.10.8Mission23 赤色甲殻虫
2005.10.11Mission24 峡谷
2005.10.12番外Mission1
2005.10.14Mission25 噴出
2005.10.15Mission26 地底突入(前編)
2005.10.18Mission27 地底突入(中編)
2005.10.20Mission28 地底突入(後編)
2005.10.22Mission29 地底決戦
2005.10.24Mission30 龍虫
2005.10.26Mission31 百脚龍虫
2005.10.28Mission32 蟲の怒り
2005.10.29Mission33 侵略者集結
2005.11.1Mission34 審判の日
2005.11.9Mission35 掃討戦
2005.11.10Mission36 終章
2005.11.11Mission37 近衛兵団
2005.11.13Mission38 火球落下
2005.11.15Mission39 機兵上陸
2005.11.17Mission40 回転木馬
2005.11.19Mission41 暴虐
2005.11.21Mission42 精鋭
2005.11.22Mission43 赤波
2005.11.25Mission44 鉄球
2005.11.28Mission45 占拠
2005.12.2Mission46 機兵の谷
2005.12.5Mission47 大群進撃
2005.12.7Mission48 魔塔の守護者(?)
2005.12.13Mission49 空挺結集
2005.12.15Mission50 百鬼夜行
2005.12.20Mission51 重装鉄球
2005.12.22Mission52 嶺の亀裂
2005.12.26Mission53 陥穽
2005.12.30番外Mission2
2006.1.1Mission54 深淵
2006.1.4Mission55 奈落の罠
2006.1.9Mission56 龍虫復活
2006.1.11Mission57 特機兵
2006.1.14Mission58 大蜘蛛
2006.1.17Mission59 空爆
2006.1.20Mission60 超爆
2006.1.25Mission61 闇蜘蛛
2006.1.30Mission62 皇帝直下
2006.2.1Mission63 機獣
2006.2.3Mission64 剣と盾
2006.2.6Mission65 魔虫跋扈
2006.2.10お試し企画
2006.2.13Mission66:超獣結集
2006.2.20Mission67 神獣
2006.2.22Mission68 大結集
2006.2.28Mission69 灼熱
2006.3.3Mission70 絶対包囲
2006.3.7Mission71 皇帝都市(前編)
2006.3.13Mission71 皇帝都市(後編)
2006.3.14エンディング
2006.3.15後書き〜♪
2006.3.17番外Mission3
2006.3.24番外Mission4