やあみんな!元気してるかい?明日(10日)の朝〜夕方に「あれ〜?」と思う人たち、ごめんね!
ん、なんで未来の話がわかるかって?可能性はふたつだ。君にはわかるかな?
- 本当に未来がわかる
- これを書いてるのは実は10日の夕方
では今日昨日も張りきっていきましょうた。
09:市街戦
マザーシップを追っていた俺だったが、あのチンポコ野郎に手こずってるうち完全に見失ってしまった。俺としたことが迂闊…。
まぁいいや、そのうちまた出てくるだろ。その時こそ貴様の命日だ。
それにしても腹が減ったな。朝からずっと追いかけてて飯どころじゃなかったからなぁ。ずいぶん遠いところまで来ちまったし…。
うん、腹が減っては戦ができぬ。
俺は途中に立ち寄ったレストランで遅い朝食をいただくことにした。ん〜、さすが本場のフレンチは違うね!(※ここはロンドン)
…チョビにも喰わせてやりたいなぁ…。
………。
チョビ…。
どこ行っちまったんだ…。
まさか、悪い奴に捕まったりしてないだろうか。ひどい想いをしてないだろうか。
焦燥に駆られていると、突然テーブル上の食器が飛び跳ねた。な、なんだ、地震か?イギリスは地震が起きない国じゃなったのか?震度4、いや5はあるだろうか。空になった皿が重力に逆らわず落ち、地面に叩きつけられる。
そして人々の悲鳴に混じる鈍い金属音と爆発音を聞いた瞬間、俺は立てかけてあった武器を手に取り、外に注意が向いている隣人の皿からパンをくすね頬張りながら、店の外へ躍り出た。
へはは…ひんほほはほう!(出たな…チンポコ野郎!)
奴らは上空から次々と落下してくる。ということは、マザーシップは遙か上空、大気圏外にいるというわけか。ふふふ…面白い!
俺はパンを呑みこむとゴリアスDを構え、眼前に迫り来る目標に照準を合わせた。
一発入魂、一撃粉砕!
ちっ、なかなかやるじゃねえか。
奴の脚を狙った俺に対し、市民を俺の方へ追いこんで盾にするとは、なんて卑劣極まりねえ作戦を使いやがる。
こうなったらもう遠慮はしない。(最初からしてない)
見てろ、俺のゴリアスDに散った仇は必ずとってやる。
突撃しながらゴリアスを放ち、ビームを寸前のところで見切って横っ飛びに回避する。こんなひょろい攻撃に当たる俺ではないぜ!
脚部にゴリアスが直撃したチンポコ野郎はバランスを崩して転倒、俺は飛び跳ねた拍子に建物の角へ背骨をしこたまぶつけて転倒。
あ…が…ぐ……ッッッ!!
な、なんで…アーマースーツ着てるのに…!
息も絶え絶えになりながら窓ガラスに背中を映してみると、なんということか、ちょうど背骨の部分がほつれて小さな穴が開いてるではないか。まさか、さっきの卑怯な攻撃でやられたのか!?
あともう少し破れたらアニメのTシャツ着てることがバレてしまう、じゃなくって敵の攻撃を防ぎきれない。
なんてこった、耳なし芳一じゃあるまいし!
動揺する俺を4機ものチンポコ野郎が取り囲む。これぞまさに絶体絶命のピンチ。文字通り、敵に背中を見せたら死、だ。
それを知ってか知らずか、奴らはなかなか攻撃してこない。俺の背後にまわろうとしているのだろうか。視界の片隅に戦車があるものの、ちょっと距離がありすぎる。間に合うか…?
じりじり後退し、じわじわ包囲されつつあるその時、通信機が喋った。
「歩行戦車が来るぞ!」
「でかい…!あんなのが歩くなんて!」
どうやら敵出現の報せを受けたEDFが到着したようだ。
俺は勝機を見いだした。
「こちら三郎、奴らは俺に気を取られている!今のうちだ!」
俺の通信を受け、到着した隊員が一斉に射撃を開始した。パァンパァンと薄っぺらい音が響く。
あいつら…拳銃でなにしてんだ?
おおかたのんびり飯を喰ってる最中に報せを受けて、慌てて出てきたんだろうな。いや、まぁ俺もそうなんだが。
果たして、俺の作戦は見事に成功した。チンポコ野郎の注意は射撃する隊員に移り、移動を開始する。もとより彼らにチンポコ野郎を倒せるなどとは思っちゃいない。俺が戦車に乗るまでの時間を稼いでくれりゃ用済みだ。
一気に駆け出しギガンテスに乗りこんだ俺は、素早く座席について反撃の準備を整える。
メインバッテリーON、パワージェネレータ起動、リアクティブアーマーOK、120mm砲装填よし。
…わかりもしないことを適当に言ってみながら、途方に暮れていた。
なんで動かないんだよ。
「上からの射撃に注意しろ!」
「撃ってくるぞ!」
バリバリバリバリドカーンドカドカーン
「うわああぁぁぁ!」
ザザー
無線機は絶叫を最後に耳障りなノイズを垂れ流す。予想より早い。正確に言うと、予想より弱い。
まずい。奴らがこちらに向かってくる。くそっ!エンジンさえかかれば!
左スティックをいくら動かしても、微動だにしないギガンテス。
動け、動け、動け、動け、動いてよ、今動かなきゃ俺が死んじゃうんだ!そんなの嫌なんだ!だからお願い動いてよおおぉぉぉ!
なおも沈黙を守り続けるギガンテス。
なんだよ、心を開かなきゃ動かないっていうつもりかよ!
くっ。動かない以上、こいつは鉄の棺桶にすぎない。こんな狭苦しいとこで爆死なんかごめんだ。
俺はいちかばちか外へ飛び出し脱出を試みることにした。距離を測るべく銃眼から外の様子をうかがうと、そこには絶望的な状況があった。
左側面、距離50。
すぐ目の前にいるよぅ!
しかし、その一方で動かない原因もわかった。ギガンテスの周囲が青く光っていたのである。
ならば!これかーっ!
人差し指に全怨念をこめてセレクトボタンを押すと、ギガンテスのエンジンに火が入り、力強い雄叫びをあげた。
よっしゃー!きたぜーっ!
「うんともすんとも言わない家電相手に一晩格闘したら実はコンセントが差さってなかった」級の奥様ミスをやらかすとは夢にも思わなかったが、慌ててたのだろう。まぁそれも仕方あるまい。誰だってアニメTシャツを着たまま死にたくなんかないからな。
よーし!勝負はこれからだ!主砲発射ーッ!
おっと間違えた。悪い。
ギガンテスの主砲の破壊力はすさまじく、チンポコ野郎は次々と
俺は川の向こうにいる最後の1機を追いつめながら、ご機嫌に河川敷を走っていた。走行と砲旋回を一人でやらないといけないのがつらいところだ。そして砲塔の照準を合わせるべく前から目を離した瞬間、ギガンテスは河川敷から転げ落ち、川底であっけなくひっくり返った。
前言撤回。
まぁ敵の残存兵力はたった1機だ。さっきみたいに物量でこられるとヤバいが、1対1なら負ける気はしない。
ギガンテスから脱出した俺は、怒りにまかせてゴリアスで爆破し、そのまま川を渡って勝負を挑むべく突撃する。
そこで、奴の様子がおかしいことに気がついた。向かってくるでもなく、攻撃してくるでもない。いや、むしろ必死に離れようとしているように見える。
もしかしたら圧倒的な火力をもつギガンテスに恐れをなして撤退しているのかもしれない。まさかそのギガンテスが川底でひっくり返ってるなどとは夢にも思ってないのだろう。
俺は一計を案じ、奴に気づかれないよう、後を尾けていくことにした。このまま進めば、素敵な朝食のお会計もうやむやにできるからだ。
それに、奴が向かう先にインベーダーどもの基地かなにかがあるに違いない。
俺は慎重に尾行を続けた。ギガンテスから脱出した時、アーマースーツの背中の破れから入ってきた大量の水をジャブジャブ言わせながら。防水加工がこんな形で裏目に出るとは思わなかった。